私の二人の神様へ
へっ!?
布団と一体だった私はコロコロと滑り落ち、その拍子に顔が布団から飛び出す。
すると、部屋はいつの間にか電気が消され真っ暗。
そこに、にょきっと人影が現れた。
人影の正体はもちろん榊田君。
彼は布団だるまの私をひょいと担ぎ上げ、今度はベッドへと転がした。
あまりの急展開でされるがまま。
私が状況を理解できた時には布団は剥がされ、組み敷かれていた。
暴れようにも手首をがっちり掴まれた上に、組み敷かれているから、びくともしない。
そんな私に榊田君は顔を近づけてきた。
唯一の抵抗とばかりに顔を思いっきり背ける。
「謝ってるだろ?本当にすまなかった」
「離して。つまらない女の相手なんか無理にする必要ないわ」
「いい加減にしろよな。お前だって悪いんだぞ。一度あんな風に拒絶されたら慎重になるに決まってんだろ?」
イライラした榊田君の声に、むっ、とする。
「だ、だから、私から言ったのに。女から誘うのがどれだけ勇気がいるか全然わかってないぃ~」
「だから、悪かった。色気がないとも、つまらないとも思ってない。ただ虚勢を張ってただけだ」
「嘘でも何でも、傷ついたんだから!野良猫よりも色気ないって言ってるし。それに……」
「だ~か~らっ!悪かった。明日、いくらでも説教は聞く」
「いつも、真面目に聞いてくれないじゃない!いつも、いつも不真面目……」
そっぽを向いて愚痴をたれる私の顔を、力づくで戻され、無理やり唇を奪われた。