私の二人の神様へ
「……ちょっと。榊田君。あかりちゃんに変なこと吹き込まないで。仁くんが可哀相でしょ?」
仁くんの背中を撫でながら、私は榊田君を睨みつけたが、榊田君は佳苗さんからガラガラおもちゃを受け取り、あかりちゃんにしか視線がいっていない。
つまり、無視された。
「仁くん。大丈夫だよ。こんなに格好良いお父さんいないもん。あかりちゃんにとって自慢のお父さんだよ。ずっと」
「小春は本当に優しいな。小春が生まれた時、春の妖精が舞い降りたと思ったが、やっぱり間違いない」
仁くんがそういうことを言うと、嬉しく、くすぐったい思いで胸が満たされる。
彼は女の子を喜ばすことが天才的に上手いのだ。
そして、こんな時だけ反応して、余計なひと言を言う榊田君。
「はっ。春の妖精?その歳でメルヘン頭はかなりイタいぞ。キモい」
ぼそりと、でもはっきり聞き取れるように言う榊田君は、天才的に人を凍らせるのが上手い。
仁くんが口を開く前に、私が榊田君を無視し口を開く。
「仁くんは佳苗さんにとっても自慢の旦那さん。それにね。私にとっても、すっご~く自慢の幼馴染!!生まれた時からずっとね」
そう力説すると、仁くんは優しく淡いを浮かべ、ゆっくり頭を撫でてくれた。