私の二人の神様へ





「あんたは満足でも榊田は違う。榊田のことも少しは考えてやったら?」



 あまり振れて欲しくない部分。


 今日の朔ちゃんは結構、突っ込んでくる。



「そうだね。私も榊田君には申し訳なく思ってる。もう答えを出すつもり」



 もう今のような友人と恋人の境にいるような中途半端な関係を続けていてはいけない。


 彼の優しさに甘えていては。



「その答えって言うのは、榊田を振る、ってこと?」



「朔ちゃん。これは私と榊田君の問題。答える必要もないと思うけど?」



 お互いの視線が交わり、空気が張り詰める。



「確かにね。でも、振るくらいなら今のままでいな」



「いつも榊田君のこと、どいつもこいつもあんなののどこが良いのか、って言ってるのに。どうしたの?」



「その認識は変わらない。けど、小春には最高の男よ。あんただけは大事にしてる。あんた以外の女には最低な男」



 最低?


 朔ちゃんも言うな、と頬を掻いた。


 その時、チャイムが鳴った。


 朔ちゃんが眉を寄せたが、私は逃げ出せるチャンスといそいそ立ち上がる。


















「へっ?榊田君?どうしたの?」



 ある意味意外な来訪者。


 まだ二時を少し過ぎただけ。


 どう考えても早過ぎる。



「襲われそうになったから逃げてきた。ほれ、これ土産。昼飯ないか?」



 は?


 私が疑問符を浮かべている中、ズカズカと部屋に入って行くから慌てて追いかけた。



「何だ、上原もいたのか。お前の分の土産はないぞ」



 気のない声から襲われて逃げ帰った人物だとはとても思えない。



「ちょっと、榊田君!襲われたってどういうこと?」



「違う。襲われかけたから逃げ帰ってきたんだ」



「はぁ~!?榊田、どういうことよ!?」






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