私の二人の神様へ
「……わかった。俺のところに泊めるし、仲良くする。お前は美玖に構ってる暇があるなら勉強しろ」
うっ、痛いところを突かれた。
最近の榊田君は、まさにスパルタ。
彼の言うことと言えば、一に勉強、二に勉強、三、四も勉強で、五に卵焼き、だ。
次々に問題集を手渡され、同じような問題を間違えると睨まれる。
だが、私は黙って受け入れる。
なんせ、彼のおかげで勉強は順調だから。
それに加え、夕食の当番も彼がほとんど引き受けるようになった。
平等にすべきだと抗議したら、
「そんなに就職浪人したいのか?」
そう脅されると、お願いします、と頭を下げるしかなかった。
本当に榊田君に甘えっぱなしだ。
美玖ちゃんはクリスマスイブに東京へ来た。
榊田君が高速バスの停留所まで迎えに行っている間、私は榊田君の家で大量の課題と留守番。
何だかんだ言いつつ、榊田君も美玖ちゃんのことを可愛がっている。
本当に素直じゃない人だと呆れてしまう。
そんなことを思いながらも、彼の優しさを垣間見えて、口元は緩んでしまうけど。
「小春ちゃんがいると、お兄ちゃんと仲良くできて嬉しい!」
そんなことを言いながら、美玖ちゃんは私に抱きついた。
美玖ちゃんはさすがは榊田君の妹という容姿だけど、こんな風にされるとやっぱり私の実の妹のような気がしてしまう。
「美玖。しらじらしい芝居すんな。その首へし折りたくなる」
どこまでも素直じゃない榊田君。