私の二人の神様へ
「あのな。良い子ぶって無理すんな。結構、ウザいぞ。その態度。そんな顔で来られても迷惑だ」
こんな風に言われると、負けん気なのか、さらに虚勢を張りたくなる。
「うるさい!行くったら、行くの!ずっと会えるの楽しみにしてたんだから!榊田君には関係ない」
彼は呆れたように深いため息を吐いてから、過去問に手を伸ばした。
「あっそ。なら今日はあと二問はやってもらう。最悪でも一週間で立ち直ってくれ。そうじゃないと就職浪に……」
「就職浪人、就職浪人言うな~!!二問どころか三問でもやって見せるわよっ!」
榊田君の言葉を遮り、キッと睨みつけた。
彼は無感動な顔して拍手を送り、
「そうか、ならあと三問。これから夕食の仕度するから、それまでに一問。食後に二問だな」
「えっ!?嘘でしょ?」
売り言葉に買い言葉。
それを真に受けるなんて!
「水野が三問って言ったんだろ?あと、五秒で始める」
「ええっ!?ちょっと待ってよ!?」
私が慌てるのを知らん顔で彼はカウントダウンを始める。
その口元は楽しげに笑っていた。
榊田君の始め、という言葉と同時に、鬼!と彼を睨みつけてペンを持った。