私の二人の神様へ
どうしてだろ?
嬉しいはずなのに、それだけじゃない。
それだけじゃないから、私はこんなにも泣いている。
コートの後ろ襟を、ぐいっ、と引っ張られた。
「おい。泣くのは良いが、前を見て歩け」
びっくりしてバスタオルから顔を上げると目の前に電柱柱。
「うっ、うっ、ごめんなしゃ~いぃ~!!ごめんなしゃ~い~!!」
何に謝っているのかわからない。
何にこんなに泣いてるのかわからない。
バスタオルを右手に持ちながら、わんわん目を擦り歩いた。
前もぼんやりとしか見えない。
それは涙のせいと、このオレンジ色の眩しい夕焼けのせいで。
鼻水が出るたびにバスタオルで拭い、わんわんわんわん泣き続けた。
そうして、わんわん泣き続けて歩くと、公園にたどり着いた。
わんわん力の限り泣いて公園の門をくぐると、ベンチには恋人と思わしき二人がいたから、そのまままっすぐ歩き、水色の象さんへと腰を下ろした。
そして、夕焼けに向かってわんわん泣いた。
もう、さっき飲んだオレンジジュースが全部出てしまうくらい。
干からびないようにとたくさん飲んだのに、干からびてしまいそうだ。
わんわん泣きながらも、自分の座っている象さんが、ギコギコと鳴く。
びゅーびゅーと北風が吹き、顔も身体も熱いのに耳だけが冷たくて痛い。
心はそれ以上に痛くて苦しい。