私の二人の神様へ
それに六月下旬になると筆記試験の結果が次々と出てきて、面接の日程が埋まっていき、そっちに神経を尖らせていた。
そんなこんなで七月下旬。
最後の面接を追え、その足で榊田君の家に向かった。
後は結果を待つだけ。
今日は、ご褒美にケーキも作ってくれると約束していた。
着替えてから行こうかと思ったけど、駅まで榊田君が迎えに来てくれたからそのまま彼の家で夕食を取った。
とりあえず、リクルートスーツはクリーニングだから何の問題もない。
やっぱり、いつもと変わらずで。
私は待合室での話や面接の話、手ごたえだとか、今日一日の出来事を話した。
彼はというと、午前中は広君たち学部の友達とゲームセンターに行ってお菓子を吊り上げ、午後はケーキ作り。
広君と小夜ちゃんも四月中に就職を決め、朔ちゃんもゴールデンウィーク明けに決まり、残るは私だけ。
結果には自信はある。
本命に受かるかはわからないけど、どこかには引っかかる。
面接は苦手ではないから。
とにかく天命に任すのみ。
夕食の片付けを二人でやっていると、雨が降ってきた。
帰りに傘を貸してもらわないと、そんなことを思いながら九時からのドラマの予想展開を榊田君に語り、榊田君は興味なさげに生返事。
片付けが終わってドラマまで一時間以上ある時間、私は買ってきたマンガ本を榊田君の背中にもたれて読んでいた。
榊田君も同じく、いや、良くわからない法律の本を読んでいた。
やっぱり、いつもと変わらない風景。