浅葱色の忍
「其方は、光で
闇にいる自分に手を差し伸べてくれる
眩しい存在らしい
其方の事を語る烝は、実に女の顔をする
……烝をよろしく頼む」



慶喜様に頭を下げられ

慌てて、下げる




「不束者ですが
これからは、精一杯の努力をします!」



私の声が大きかったせいで


「ん…? い、さ 勇?
どないしたん? 何で、泣いてんのや?」


目覚めた烝が、私の着物の袖を掴み
首を傾げた



「慶喜にイジメられたんか?」


「誰がだ!?」


「わっ!慶喜!いたのか!?」


驚いた烝が、口を押さえる



「近藤には、素で喋るんだな!?
俺には、1度もなかった!!フンッ」



腹を立て、慶喜様が部屋を出る

1度も?


本当に1度も、素をみせなかったのか?



「あかん/////勇しか、見えてへんかった///」




烝の言葉に、安堵する

こんな不甲斐ない私が、光なのか?



「勇… 反抗的な態度したり
傷つける言葉たくさん言ったけど
俺は、勇の為に忍に戻ったんや
せやから…勇のそばにおりたいねん
伊東さんは、どうしても信用でけへん
でも、勇が… 
勇が決めたなら……いいよ!
我慢する!伊東さんと仲良くするから…
お願いやから…
新選組から、追い出さんといて!!」





慶喜様に言われた意味を理解した

私が、きちんと話をしてこなかったから
こんなふうに誤解して、我慢して
追い込んでいたしまっていたんだ


こんなに苦しんでいたなんて…






「追い出したりなんて、するものか
今日は、もしも烝に会えたらと
歳と伊東君を連れてきたんだ
歳から怒られてね
自分の行いを反省したんだ
だから、伊東君にも納得して貰ったんだ
私に烝を返すと言ってくれた
烝は、私の忍
私だけの忍だよ
これからも、ずっとだ
我慢なんてしなくていい
私が、愚痴でも何でも聞くよ」



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