浅葱色の忍
「慶喜!!お前、将軍になれ!!」




あ……


勢い良く開けた部屋
目の前には、家老などの家臣

とんでもなく注目を集めた



「コホンッ ほら、山崎も同意見ですよ」


梅沢が、ニコリと笑った


今まさに、就任の話をしていたらしい



その中に、家臣になったばかりの渋沢


しまった…


まぁ 仕方ない


醜態さらしてもええか




「慶喜!!将軍になってくれ!!
この国を この国の民を考えられるのは
お前しかいない!
俺は、慶喜じゃなかったら嫌だからな!」



ここでは、常に皆に睨みを利かせ
無駄なことは、一切喋らず
こんなふうに、感情剥き出しで声を上げることもしたことはない


面食らった家臣一同が

俺がここまでするなんて!!と…

感激して、とった行動は



全員で土下座…


ええ… そこまでせんでも…



今度は、俺が面食らった


せやけど、やっぱり慶喜やって

確信した












「慶喜にどれだけの力があるのか
そんなのやってみなきゃわかんないだろ!
こうして、頭下げてる皆の為にも
お前は、やるべきだ!
将軍になれ!躓いて、悩んで、失敗しても
皆が支えてくれるって!
最初から真面な奴なんていねえよ!
慶喜!!慶喜なら大丈夫だから!!」









「わかった
皆の力を借りながら、やっていこう」








慶喜ほど、皆に目線を合わせる奴は
なかなかいない

どんなに偉くなろうとも

きっと、今のままでみたいに

人の心配してみたり

くよくよ悩んでたり

慶喜の為に、力になり支えてくれる人は
ここにたくさんいる




皆がみてるのちょっと忘れて

慶喜と微笑み合った






「戻るのか?」


「うん またな
頑張れよ!慶喜!!」


「ああ お前もな」






荷物を持ち

屯所に戻った時には、夕餉が終わっていた




「お前、以外と落ち着かねえ奴だな」


「本当、帰ってくるならそう言って下さい」


「上手く説得できたんで
帰って来たんや!ただいま!」


副長と沖田さんが、呆れ返っているなか






勇だけは、にこにこして




「おかえり」




俺を受け入れてくれた




















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