浅葱色の忍

近藤勇

烝から事前に聞いていて良かった


烝の従兄弟と幼なじみに協力を頼んでいると聞いていなかったら…


痣を確認すると聞いたとき


私は、取り乱していただろう




そう、偶然ではあるが
歳が烝の恋仲を紹介しろとあまりにも
しつこく言うので
手を打っていた



「副長 連れてきました」


「入れ」



幹部全員が揃う部屋に

従兄弟と幼なじみ、烝華になってる烝


そっくりだとは、烝に聞いていたが
背格好に声、立ち居振る舞い
全てが烝そのものだった


小さい頃から、訓練されたそうだ


いつでも代われるようにと





「わぁ!そっくり!!
山崎君と烝華、本当に双子みたいですね!」





総司が声を上げた


「あ、これ恋仲のお恵です」

従兄弟が適当に幼なじみを紹介した



伊東さんは、烝の手の痣を確認した後



「山崎君 服を脱いでよ!
女の双子かもしれないわ!」



「はぁ 別にいいけど」



従兄弟が上半身を脱ぐと
華奢ではあるが、しっかり筋肉のついた
男の胸板が出てきた



「これで疑いはれました?」


「そうね…」



「むさ苦しい…」



「お恵(けい)ちゃん!」


烝が、慌てて幼なじみを止めようとするが
この場に飽きたらしい

短気とは、聞いていたが…



「烝!帰るよ!」


「はぁ 言うと思った
烝華どうする?」


「私も帰ります!」


「ちょっと待ちなさい!」



伊東さんがまだまだ疑いの目を向ける



「烝華」


「は…い」


「貴方も脱いでよ」


「え…」



ガバッ


「ひゃぁ~/////」


バシッ


「何してんのよ!!烝華は、あんたの妹でしょーが!!この変態がぁ!!!」



従兄弟が、着物をずらして
胸元をチラリと伊東さんに見せ


お恵ちゃんに殴られたのだ

その隣で、ペタンと座り込み
真っ赤になり、着物を正している
本物の烝


「いってぇ!! 伊東さんに触られるよりは
俺がしたほうがいいだろうが!
どうせ、自分で開けないだろう!」


烝の事をよく理解してくれているようだ



「もういいだろう?伊東君
山崎君、非番なのにすまないね」


「いえ では、失礼します
おら!帰るぞ!!送ってやるから!立て!」


「烝!あんたは、年の離れた烝華に
どうして優しく出来ないの!?
こんなむさ苦しい人たちに、胸元見られて
どんなに恥ずかしいと思ってんのよ!」


「うるせぇな!むさ苦しいとか言うな!
だから、紹介したくなかったんだ!
口は、悪い!手は、出る!
少しくらい女らしくしろよ!!!」




などなど…



素晴らしい演技で、皆を信じさせた




私は、事前にもう一つ聞いていた


お恵ちゃんが、男だと言うことを…


 

そして、2人とも忍で




天子様に仕えているという事を















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