浅葱色の忍
翌日は、具合を心配され

疲れているなら休めって


書き物をしてくれた




そういえば、部屋に籠もりきりだった




久しぶりに総司を甘味屋に連れて行き
肩の力が抜けた気がする



部屋に戻る廊下で
俺の部屋から、かっちゃんと山崎の声

立ち聞きするなんて…


とは、思ったが
やはり無意識に気配を消し、立ち尽くす



「伊東君の次は、歳か…歳は、手強いな」


「ホンマ!焦ったわ…」


「何かされたわけじゃないだろうね!?」


心の臓が、ドキッと音を立てる


「土方さん、多分やけど疲れてんねん!
勇も気に掛けてやってや?」



……勇?


「わかったよ
本当に、何もされてないかい?」


「クスクスッ 何もないって!
勇に疑われて、土方さん可哀想!クククッ」


「歳のことは、私が良くわかっている」


「知らんことかて、あるかもやで~」


「烝~ 威かすな!」


「ふふふっ」




自室なのに、入りづらいのはなぜだ



「土方さん?何してるの?」


「んあ!?」


「お茶持って来ましたよ!開けて!」


襖を開けると、かっちゃんと山崎が
振り返る


文机を並べて、一緒に仕事していたようだ


「あ!近藤さん!すみません!
近藤さんのお茶も煎れてきます!」


バタバタと総司が行ってしまった


聞き耳立ててたの、バレたか?



「土産だ かっちゃんのもある
休憩しねえか?」


「ありがとう!山崎君、休憩しようか!」


「はい」



なんなんだ……

さっきまで、勇 烝って呼び合ってたのに



「クスクス」


「何、笑ってんだよ!」


「だって、いかにも聞いちゃったみたいな
顔してんねんもん!クククッ」


「なに?歳、居たのか?」


「2人の時は、気軽に名前で呼び合ってんねん!仲良さそうやろ?」


「良さそうとはなんだ!良い!だろ!」


「ええけど、更にや!
なんなら、副長も歳三って呼んだろか?」


「駄目だ!歳まで呼ばなくて良い!」


「うわっ ヤキモチかいな!?」


「当たり前だ!」




なんなんだ… なんの心配してたのか

山崎の何を疑ってたのか

それさえも、よくわからなくなった








ただ、2人がこんなに仲良かったとは
驚きだった












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