浅葱色の忍
近藤勇
吉村君と一緒に部屋に戻ると
烝が、一瞬目を開け
また、すやすやと眠った
「吉村君と山崎君の出会いは?」
そういえば聞いていなかったと思い
質問してみた
「山崎が、姫様だった時です
慶喜様と御結婚する前ですね」
「そんな前に…」
「聞いてなかったんですね
クスクス 城を抜け出して…
寺の大屋根の上にいたんです」
「へえ」
「綺麗な着物着て、大屋根の上ですよ
俺、急いで屋根に上がったんです
そしたら、にこにこして
忍になりませんか?って…」
「見込まれたんだね」
「冗談だと思って、考えとくって言いました
探しに来た人と帰って行く後ろ姿は
なんだか可哀想なほど、元気がなくて
次に出会った時は
たまたま護衛をする機会がありまして
〝私のことは守らなくてもいいですよ
ほら、誰も守ってないでしょ〟
そう言って、ぼーっと空を見ていたんです
〝仕事だから〟
そう返せば、〝すみません〟と言われ
あの時、山崎を守らなければと思い
必死でした
梅沢様に呼び出しされ、山崎が
あの時の姫様だと知ったとき
凄く嬉しかった
生きてたんだって…」
「吉村君が友になってくれて良かった」
「誘って貰って良かったです
忍、楽しいです!
それに、良い仲間に出会ったことは
本当に幸せなことですから!」
吉村君は、笑っていたが
当時の烝を思い出したのか
少し涙ぐんでいた
烝が、一瞬目を開け
また、すやすやと眠った
「吉村君と山崎君の出会いは?」
そういえば聞いていなかったと思い
質問してみた
「山崎が、姫様だった時です
慶喜様と御結婚する前ですね」
「そんな前に…」
「聞いてなかったんですね
クスクス 城を抜け出して…
寺の大屋根の上にいたんです」
「へえ」
「綺麗な着物着て、大屋根の上ですよ
俺、急いで屋根に上がったんです
そしたら、にこにこして
忍になりませんか?って…」
「見込まれたんだね」
「冗談だと思って、考えとくって言いました
探しに来た人と帰って行く後ろ姿は
なんだか可哀想なほど、元気がなくて
次に出会った時は
たまたま護衛をする機会がありまして
〝私のことは守らなくてもいいですよ
ほら、誰も守ってないでしょ〟
そう言って、ぼーっと空を見ていたんです
〝仕事だから〟
そう返せば、〝すみません〟と言われ
あの時、山崎を守らなければと思い
必死でした
梅沢様に呼び出しされ、山崎が
あの時の姫様だと知ったとき
凄く嬉しかった
生きてたんだって…」
「吉村君が友になってくれて良かった」
「誘って貰って良かったです
忍、楽しいです!
それに、良い仲間に出会ったことは
本当に幸せなことですから!」
吉村君は、笑っていたが
当時の烝を思い出したのか
少し涙ぐんでいた