浅葱色の忍

｢藤堂さん｣


｢え！？　ちょっと！いくら山崎君でも
今日は、危険だって！！｣


｢藤堂さんに会いたくなったんです｣


｢本当、君って、お騒がせだよね？｣


｢藤堂さん…
俺、皆に言ってないことがあるんです｣


｢ちょっと待って！何で、それ俺に！？｣


慌てる藤堂さんを無視して


｢烝華と俺は、伊東さんの睨んでる通り
同一人物です
俺は、女で……
死んだ烝華は、従兄弟の薫です…｣


藤堂さんは、目を見開き驚いていたけど
すぐにふわりと笑った


｢従兄弟さんは、残念だったけど
君が生きてて良かった
どうして、俺に話そうと思ったの？｣


｢尾形に女て、バレて嫌われた
藤堂さんは、受け入れてくれそうやから
多分…　ずっと、誰かに言いたくて
女でもええよって言われたかった｣


藤堂さんは、クスクス笑い


｢山崎君は、山崎君だよ
ねえ？　新選組に戻ったらさ
俺に忍術教えてよ！！しばらくは
外で活躍出来ないだろうからね
山崎君は、俺に頼みとかない？｣


｢……無理やし…｣


｢何？言ってよ！｣


｢俺、新選組の羽織着て巡察行ってみたい｣


｢？？？そんなことでいいの？｣


｢そんなことって、俺
羽織貰ってへんし！裏方やねんもん！｣


｢欲がないよね｣


｢あるよ！藤堂さんが巡察に復帰するとき
俺も一緒に連れてってや？｣


｢クスクス　いいよ！
じゃあさ！俺の監察方、初任務の時
一緒に来てよね！｣


｢うん！約束やで！！｣


｢うん！約束！！｣