浅葱色の忍
吉村貫一郎
尾形と組まないなら
俺と組んで欲しいとお願いした
でも、山崎は
「俺は、今まで通りひとりでええよ」
「山崎は、無茶するから
止め役がいるんだって!」
「ふふっ 副長に似てきたんちゃう?」
落ち込んでいるのかと思っていたが
穏やかに笑っていた
斎藤さんが山口二郎と改名して
新選組に戻った
坂本龍馬が暗殺され、その下手人として
原田さんが疑われた
その証人が伊東さんだったり
副長の怒りが頂点に来たらしく
幹部と監察方が集められ
斎藤さんから、局長暗殺計画が報じられた
仲が良かった山崎と尾形は
まるで他人のようになってしまった
「監察方、吉村 尾形で組め」
「「はい」」
きっと、これは仲を取り持てってことだ
俺達は伊東さんを誘い出す妾宅周辺に待機
山崎は、沖田さんと組み妾宅に潜む
「尾形… 何でわかったの?」
一瞬の間があったが、山崎の事と察し
「局長とお前が話してるの聞いた」
……あの時か
油断したな
「組割り…副長が発表したけど
考えたのは、山崎だよ
山崎は、尾形と組みたいって言ってた
だから、尾形が嫌だって言っても
俺とは組まないって断られた
……女として、生きてないよ
あの人、忍として生きてる
お前、山崎に引き上げられて
監察方に入れて貰ったのに
隊士ばっか見て、1番近くにいる山崎の事
全然見てなかったんじゃないのか?」
「見てたよ
凄え人だって、尊敬してる
だから!隠し事してたのがムカツクんだ!
信用されてねぇのかなって」
「違う……
山崎、ずっと悩んでる
女だと言えなくて、苦しんで
いつも、怯えてすごしてる
明日、話せよ!時間つくるからさ」
酷い夜だった
仲間だった者同士が
斬り合うことが、こんなに辛いなんて
屯所に戻ると山崎は、いなかった
「月真院見に行かせてる」
「ひとりでですか!?」
尾形が声を荒げた
「お前が組みたくないつーから
仕方ねぇだろ」
と、イヤミっぽく言うあたり
意地悪だと思う
少しして、藤堂さんの遺体が運びこまれた
俺と組んで欲しいとお願いした
でも、山崎は
「俺は、今まで通りひとりでええよ」
「山崎は、無茶するから
止め役がいるんだって!」
「ふふっ 副長に似てきたんちゃう?」
落ち込んでいるのかと思っていたが
穏やかに笑っていた
斎藤さんが山口二郎と改名して
新選組に戻った
坂本龍馬が暗殺され、その下手人として
原田さんが疑われた
その証人が伊東さんだったり
副長の怒りが頂点に来たらしく
幹部と監察方が集められ
斎藤さんから、局長暗殺計画が報じられた
仲が良かった山崎と尾形は
まるで他人のようになってしまった
「監察方、吉村 尾形で組め」
「「はい」」
きっと、これは仲を取り持てってことだ
俺達は伊東さんを誘い出す妾宅周辺に待機
山崎は、沖田さんと組み妾宅に潜む
「尾形… 何でわかったの?」
一瞬の間があったが、山崎の事と察し
「局長とお前が話してるの聞いた」
……あの時か
油断したな
「組割り…副長が発表したけど
考えたのは、山崎だよ
山崎は、尾形と組みたいって言ってた
だから、尾形が嫌だって言っても
俺とは組まないって断られた
……女として、生きてないよ
あの人、忍として生きてる
お前、山崎に引き上げられて
監察方に入れて貰ったのに
隊士ばっか見て、1番近くにいる山崎の事
全然見てなかったんじゃないのか?」
「見てたよ
凄え人だって、尊敬してる
だから!隠し事してたのがムカツクんだ!
信用されてねぇのかなって」
「違う……
山崎、ずっと悩んでる
女だと言えなくて、苦しんで
いつも、怯えてすごしてる
明日、話せよ!時間つくるからさ」
酷い夜だった
仲間だった者同士が
斬り合うことが、こんなに辛いなんて
屯所に戻ると山崎は、いなかった
「月真院見に行かせてる」
「ひとりでですか!?」
尾形が声を荒げた
「お前が組みたくないつーから
仕方ねぇだろ」
と、イヤミっぽく言うあたり
意地悪だと思う
少しして、藤堂さんの遺体が運びこまれた