浅葱色の忍
手拭いをじゃぶじゃぶとしている背中は
泣いているようだった


「烝を置いては、逝けないさ」


烝が、手拭いを額に置いてくれた
その手拭いの冷たさに
烝の手も冷えているだろうと心配になる



「烝 手を貸してごらん」


「は? さみしいとか沖田さんみたいなこと言わんといてや!?」


「ふふっ 総司…甘えてるんだね?」


「…スミマセン」


「わっ!あったかぁ~」


私の手を握ると、ニコニコと喜ぶ


「イチャイチャシナイデヨ ボクモイルノニ」


総司がそう言うと


「ほな、沖田さんも手、貸して!」


2つ並べられた総司と私の布団の間に
ゴロンと横になる


「めっちゃ暖かいやん!」


喜ぶ烝に微笑んだ




いつの間にか、寝てしまったらしく

傷の痛みに目覚めると


!!!




どうやら、烝も総司も眠っていたらしい
烝にいたっては、布団を掛けず
手を繋いだまま


「クッシュンッ!! んあ?」


痛む肩を我慢し、烝に布団を掛けた


「風邪ひいたんじゃないか?」


「んー はぁ 誰が、看病すんねん…」


烝が、怠そうに目を閉じた


「……スミマセン ネテタ」


くしゃみで起きた総司も、烝に布団を掛けた



「暖かいなぁ~ 動きたくなくなるやん」


「もう一眠りしよう」


「ソウデスネ」



烝にひっつく男2人


冷えていた烝の体が、ぽかぽかし始めると
私達は、また眠っていた




「ざまぁねえな……」




歳に見下ろされ、目を覚ました


すでに昼すぎだろうか




歳の護衛で来たはずの吉村君が
私達3人の看病をしてくれた







「堪忍な…」







情けない声で、謝る烝が可笑しくて

総司と笑った











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