浅葱色の忍
慶喜に聞いたのか
自分で察したのか


女として〝幸せ〟かと


聞いたんや



忍として、幸せにやってるのは
十分に分かっているはずだから


それなら、自信を持って言える



〝勇を好きになって良かった
幸せや〟って…




梅沢からも、笑みが返ってくる




「主の為に死のうとはするなよ」


「大丈夫!うちの主は、守るなって言うし
それに、俺にトドメをさせそうな人が
いないんだ クスクスッ
組織にいるわけじゃないし
掟破りでも、不名誉でも
主が悲しむなら、寿命を全うするのもいい
その分、主と過ごす時が増える」


「そうか 良い主と出会えて良かったな」



「クスッ 慶喜の事 よろしく」


「承知した」









もう、4年かな

江戸を出る日


〝またな〟


と、送り出してくれた梅沢が


〝うん!またな!〟


と、返事した俺が






もう、会えないと予感した








立場が変わった


仕える主が変わった





それだけじゃない







戦が始まれば…  長くなる…




生きていても、いつ会えるか




もう、俺達には予想がつかなかった
















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