浅葱色の忍

土方歳三

｢戦況確認してくるわ！｣


｢お前は、ダメだって言ってんだろ！！｣


｢あのなぁ…　こういうの得意やねんて！｣


｢得意だとしても！　今は、ここにいろ！｣




戦が始まった



指揮官として、戦況を把握する必要がある

だが、それを山崎に任せていいのか

判断出来ないでいた



｢副長！
敵は、かなりの数の銃を撃ってきます！
永倉組長の隊も近づけないようです！｣



｢くっそ…｣



｢吉村と砲術訓練した奴を３人集めてくれ｣



｢はい！｣


｢お前…勝手に指示すんなよ｣


｢戦況を知らんから、悩むねん
ええか？俺は、こういう経験してる！
心配せんと、使え！
永倉は、多分突き進むやろ
それじゃ、あかんのや！
永倉には、ここで副長の補佐をさせる！
連れ戻すから、それまで何か考えとけ！｣


｢山崎、呼んだ？｣


｢吉村、尾形と組んで敵を拡散しろ
やり方は…｣


｢例の作戦？｣


｢そや　ええか？拡散するだけでええで
そんで、砲術の奴らが援護してる間に
永倉の隊を俺が戻す｣


｢わかった｣


｢永倉が戻る姿が見えたら、俺と合流
戦況の偵察いくで｣


｢山崎｣


｢なんや？｣


｢怪我すんなよ…｣


｢副長　俺がついてますから｣


｢吉村　お前も気をつけろよ｣


｢はい｣






手詰まりを感じていた



山崎の言うように、外がどうなってんのか

把握しないと、何も浮かばない



｢副長！　源さんが撃たれました！｣



次々に、怪我人の報告が来る



源さんが…？



考えねぇと、皆を守る方法を…