浅葱色の忍
*空姫*
山崎烝の憂鬱
「烝!!また、勝手に田の力に混ざって!
あんたは、くノ一やろ!!」
「薫と恵と、一緒がええ!!!
いややぁ~ くノ一は、いややぁ~」
「烝!!女には、でけへんことがある!
あんたには、田の力は無理や!!!」
「なんでや!うちは、立派な忍になるんや!
薫にも、恵にも負けへん!」
「烝… ええか?
忍の田の力は、人を殺める
くノ一なら、人を殺さなくてええんやで?」
「うち、立派な忍になりたいねん…」
「くノ一かて、立派な忍や!
薫、恵ちゃん、お願いやさかい
烝と遊ぶの辞めてくれるか?」
「おばちゃん!
烝は、俺達と一緒に忍になるんや!
訓練かて、一緒にせなあかん!」
「烝ちゃん!いこ!」
「あ!! こら! 烝!!
薫!恵ちゃん! あかんて!!」
『立派な忍』
それが、どんなものかなんて知らん
忍になるのは、生まれた時に決まっていた
それ以外の選択肢は、なかった
なかったが、忍以外になろうとは
思ったことがなかった