浅葱色の忍
朝、目覚めると烝華は
やはり、布団の外にいた
再び目を閉じ、烝華に声を掛けられるまで
タヌキ寝入りをするのも慣れたもの
ん?
唇に感じた柔らかく温かい感触
少し考え、口づけだと理解した頃
目を開けると
いつも通り、布団の外から
「おはようございます」
と、頭を下げる烝華
夢ではないはずだ
確かに今も唇に残っている
「契ったことにしてくれませんか?」
「ん?」
「ほら、俺……女らしさとは
ほど遠いだろ? 慶喜に無理させてまで
そんなことしなくてもいいかなって…
昨日は、嫌な気持ちにさせてごめん」
「……」
「本当… ごめん… すみませんでした」
深く頭を下げて烝華が出て行った
寝起きのせいか
口づけの理由がわからなかったせいか
何も言えなかった
烝華に頼まれた通り
契ったことにした
まわりからの祝福の声に
変な気持ちになった
「可愛い子が出来ると良いですね!」
そんなことまで言われた
烝華もきっと
冷やかしに近い祝福を受けただろう
その夜は、疲れた顔をしていた
「サッサと寝てくれ」
俺が寝付くまで寝られないんだという
気持ちがこもった言葉
朝目覚めるとやはり布団の外
起こされるまでのタヌキ寝入り
そっと触れる唇
間違いない
烝華が口づけをしてくれたのだ
「おはようございます」
烝華…
この口づけの理由は、なんなんだ?
やはり、布団の外にいた
再び目を閉じ、烝華に声を掛けられるまで
タヌキ寝入りをするのも慣れたもの
ん?
唇に感じた柔らかく温かい感触
少し考え、口づけだと理解した頃
目を開けると
いつも通り、布団の外から
「おはようございます」
と、頭を下げる烝華
夢ではないはずだ
確かに今も唇に残っている
「契ったことにしてくれませんか?」
「ん?」
「ほら、俺……女らしさとは
ほど遠いだろ? 慶喜に無理させてまで
そんなことしなくてもいいかなって…
昨日は、嫌な気持ちにさせてごめん」
「……」
「本当… ごめん… すみませんでした」
深く頭を下げて烝華が出て行った
寝起きのせいか
口づけの理由がわからなかったせいか
何も言えなかった
烝華に頼まれた通り
契ったことにした
まわりからの祝福の声に
変な気持ちになった
「可愛い子が出来ると良いですね!」
そんなことまで言われた
烝華もきっと
冷やかしに近い祝福を受けただろう
その夜は、疲れた顔をしていた
「サッサと寝てくれ」
俺が寝付くまで寝られないんだという
気持ちがこもった言葉
朝目覚めるとやはり布団の外
起こされるまでのタヌキ寝入り
そっと触れる唇
間違いない
烝華が口づけをしてくれたのだ
「おはようございます」
烝華…
この口づけの理由は、なんなんだ?