浅葱色の忍

慶喜の喜び

「女の嫉妬は、恐ろしいものですが
正室様も烝華も、仲良くやってくれて
良かったですね」



美賀子を迎える前、烝華の様子がおかしいと梅沢が心配していた

実際は、そんな心配も必要ないほど
2人は和やかだ




嫉妬で女は、豹変するらしい






烝華は、嫉妬などするはずがないか…



烝華と夫婦になり、4年







初めて俺の贈った紅をつけていた


それは、とても嬉しいことだったが…


〝ちゃんとしたときに使うから!!〟


使うとなくなるとか、言っていたのに


何の日でもない今日


散歩がしたいと言うから
庭に出てみれば


にこにこと

ほら!つけてるよ!って感じで


俺に見せつけてくる



そんな烝華に頬が緩むが
庭でいちゃつく訳にもいかぬ


女の嫉妬には、気をつけなければ…




特に何もなく、散歩が終わる





「慶喜…… しばらく呼ばないで……」






散歩に出る前は、にこにこしていたのに

作り笑いで、寂しそうに言った












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