浅葱色の忍
烝華の心
もう辞めよう
期待なんかしたら、傷つくやん
「どちらまで行かれるのですか?」
「梅沢 私、今日は部屋で休みます」
「出掛けは、良いのか?」
「ええ」
女中にも夕餉まで寝るから
来なくて良いと言い
こっそりと屋敷を抜けた
俺は、産んだ子のことを阿部に任せている
阿部から
「御子の法要に、慶喜様と来ませんか?」
誘われたとき
アホみたいに期待なんかしたせいで
ガッカリしてる
一人でええわ
寺につくと
「一人で抜けて来たのか!?
護衛もつけずに…何を考えておる!?」
「いいんですよ」
「慶喜様は…」
その話題には、触れるなよ!
一人で来たんやで? 察してくれや!!!
聞こえないふりをしようとしたけど
「烝華!慶喜様を誘わなかったのか?」
「はぁ~ 誘ったけど
今日は、美賀子様と産まれてくる御子の
名を考えるらしいよ」
「……」
それから、阿部は何も言わなかった
久しぶりにお墓参りが出来て
帰るのが名残惜しくなった
阿部が送ると言ったけど
もう少し居たいからと
空が赤く染まるまでここに居た
期待なんかしたら、傷つくやん
「どちらまで行かれるのですか?」
「梅沢 私、今日は部屋で休みます」
「出掛けは、良いのか?」
「ええ」
女中にも夕餉まで寝るから
来なくて良いと言い
こっそりと屋敷を抜けた
俺は、産んだ子のことを阿部に任せている
阿部から
「御子の法要に、慶喜様と来ませんか?」
誘われたとき
アホみたいに期待なんかしたせいで
ガッカリしてる
一人でええわ
寺につくと
「一人で抜けて来たのか!?
護衛もつけずに…何を考えておる!?」
「いいんですよ」
「慶喜様は…」
その話題には、触れるなよ!
一人で来たんやで? 察してくれや!!!
聞こえないふりをしようとしたけど
「烝華!慶喜様を誘わなかったのか?」
「はぁ~ 誘ったけど
今日は、美賀子様と産まれてくる御子の
名を考えるらしいよ」
「……」
それから、阿部は何も言わなかった
久しぶりにお墓参りが出来て
帰るのが名残惜しくなった
阿部が送ると言ったけど
もう少し居たいからと
空が赤く染まるまでここに居た