浅葱色の忍
「烝華…… 忍になるか?」



それが、望みなんだろう?


なのに、どうして…


悲しそうに笑うんだ?




「年が明けたら…」



「すぐでもいいぞ?」



「慶喜様……年が明けるまで」



作り笑いをして…
俺を様付けで呼び


空を見上げた





「忍になるのが、夢でした
私…慶喜様の側室になれて…
良かったと思ってます
私を雇いたいと言ってくれたのは
慶喜様が初めてでした
嬉しかったです
必要として貰えたと思ったから…
側室としては、お役に立てませんでしたが
もう少し… 
慶喜様の側室でいさせて下さい」





烝華の頬には、涙がつたっていた







これでいい








烝華の夢を叶えられるんだから





























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