浅葱色の忍




美賀子の子は、20日でこの世を去った



あんなに明るかった美賀子は
鬱ぎ込んでしまった


「慶喜 あのさ、俺の女中してた須賀
城へ養子に出したんだけど
美賀子の女中にしてくれないか?」



俺が辛いとき

嫌な顔せず、いつもそばにいた

須賀なら、美賀子を支えてくれるはず




「烝の頼みなら…」





正式な主従関係になり、益々ぎくしゃくしている

気にしてないフリをして



仕事 仕事 仕事


頭の中を仕事でいっぱいにする



「阿部に頼んでくる」




美賀子にも須賀の事を伝え

翌日


城へ行くと

「丁度良い!!篠塚!!通訳しろ!!」



えらく訛った異国の言葉に
皆が苦戦をしていた



「私は、シーボルトです」


喋れるやん


ん? シーボルト?


「医学書の!!シーボルト!!!」




皆が聞き取れなかった言葉を
あっさりと聞き取り

興味深く医学について質問をぶつける


俺は、阿部から貰った
シーボルトの医学書を暗記してしまうほど
何度も読んでいた



興奮して、ずっと話をした



日本から追放されたはずの師匠に
会えるなんて!!!


勝手に師匠と思ってんねんけど



シーボルトが連れてきた息子も
話の出来る奴で



阿部がなんだかんだ言ってたけど



この2人は、大丈夫!



という勝手な太鼓判を押し




「大切に扱えよ!」





めちゃくちゃ贔屓した













久しぶりに須賀に会うと
相変わらずの色気だった



「お久しぶりでございます」


「久しぶりだな!美賀子の事、頼むな!」


「はい!お任せ下さいまし!」






可愛いし、綺麗で女らしい






「篠塚は、其方をとても気に入っておる」


「ありがとうございます」


「世話になったのもあるけど
良い女なんだ!
慶喜の側室にしたらいいなと思ってな」


「まぁ!!私なんて…」


「ほぉ!それ程良い女子か!」


「うん!須賀だからこそ、美賀子を頼める!
須賀がいてくれたら安心だ!」


「/////買い被りですわ!」





買い被りなんかじゃない


見立て通り、美賀子は笑顔を取り戻した




























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