浅葱色の忍

山崎烝

嫉妬やなんて…

アホらし…




そういう関係を拒んだんは、俺やん





江戸に妻がいて、俺に会う前から
深雪がおるんや


わかってたことやんか




帰ろう



主人に帰ると言いに行くと

丁度、接客中


そばで待っていると


「そちらは?」


「へ?あ!これは、烝華ですが…
烝華は、あきまへん」


「長居は、しない
付き合ってくれないか?」


「烝華どす
少しでええなら、喜んで」


「烝華、お客はんは!?」


「……」


なんて言ったらええねん


「怒らせたんか!?」


「まさか!そんなや、あらしまへん!
深雪姉はんに変わって貰ったんどす!
少し具合が悪かったんどすけど
ようなりましたんや」


「具合が…それなら尚更、長居はしない
少しでいいんだ!頼む!」


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