浅葱色の忍
「烝華 気に入ったよ
また、改めて指名させて貰おう!」


「すんまへん
うちは、人手が足りない時の
助っ人なんどす
常に、ここにおらんのどす」


「普段は、どこに?」


「裏方どす」


「……勿体ない!!」


「世辞などええんどす
姉はんらと比べたら、うちなんて
半人前にも及びまへん」


「どうにか主人を口説こう
姉さんらに失礼のないように
指名する分にはいいだろう?」


「いえ、困ります
うちにも、仕事がありますよって」


「ふっ つれないな」


「堪忍どす」






しぶとく誘われたけど

まあ 悪い人では、ないな




それから、少し酒を飲み

夜中、こっそりと屯所に戻った





寒さですっかり酔いも覚め


なかなか寝つけなかった





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