浅葱色の忍

近藤勇

医者よりも手際良く

治療をしていく


烝にばかり負担がいってしまっている



「山崎君、隊士らを使ってくれていいよ」


「いえ、あまり面が割れることは
俺としても避けたいので
それに、尾形が手伝ってくれてますから」


「では、無理をしないように」


「はい」





君は、女子なのだから…



なんて言うと、怒るんだろうな



心地良い関西訛りが遠退いている
中途半端に深雪を身請けして


烝との関係が悪くなるなんて



余所余所しいと感じる
烝の言葉に、心が曇る




「局長 そんなお顔をされると
隊士が不安になります
大手柄なんですから
堂々と笑顔でいるべきです!」



「そうだね
ありがとう… 山崎君」











怪我人や病人を見舞い


歳の部屋へ



「辛気くせえ面すんなよ!」


「私が、怪我をさせたような気分でね」


「は!? 全く!かっちゃんは!
もっと、威張ってろよ!
局長なんだから!!」


「山崎君にも、同じことを言われたよ」


「山崎は、大丈夫そうだったか?」


歳も、案じているのか


「疲れているだろうに、看病をしていたよ
尾形君が手伝ってくれているよ」


「そうか… 山崎の奴、尾形を上手く
自分につけたな…
かっちゃん!尾形を監察方にしようと思っているんだ!馬が合うみてえだし!
1人より、2人の方が安心だろ!?」


「そうだね 歳に任せるよ」


「おう!」
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