浅葱色の忍

山崎烝

さすがに、疲れた… 


せやけど、藤堂さんが目覚めるまでは
看病したい



額に受けた刀傷のせいで
熱に魘されている



「水を変えてこよう」


「ありがとうございます」


藤堂さんと同じ歳だっけ?
斎藤さんが、手伝ってくれてる



永倉さんも手を怪我したし

原田さんは、嫁さんが産気づいてる


勇は、元気ないし
土方さんと山南さんは、何やら忙しい様子



医者は、来てくれたものの
新選組ってだけで、ヒビリたおして


はっきり言って、役に立たん!




予想外に俺の方が手際良いいし
少し無理してでも、治療せな

傷が悪くなったら、それこそ大変やからな



「んんっ 痛ぁ」


「藤堂さん?」


「山崎君…頭、痛い」


「痛いのは、生きてる証です!」


「平助!!目覚めたか!!」


「一 頭痛い」


「斎藤さん 局長に報せて来ますね!」


廊下であった永倉さんに報せて

勇の部屋に来たが、不在


副長の部屋に行くと

勇と副長2人、難しい顔をしていた




「藤堂さんが目覚めました」


「良かった!山崎君!君は休みなさい!」


「はい ちょっと休みます」


「山崎 目覚めたら俺のところにこい」


「…用があるならどうぞ」


「いや、疲れてるだろうが」


「疲れてますけど、緊急なら」



3人が黙った



こりゃ、緊急やな




「俺、忍なのでこれくらい普通なんですけど
用があるなら、さっさと済ませて
ゆっくり休みますので、どうぞ!」






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