浅葱色の忍

近藤勇

烝が、帰ってこない…




1日だけという話だったから
快く行かせてやりたかった



なのに…




延長という報せだけで
いつ帰るのか、わからないまま


5日すぎた



「なんて面してんだ?」


歳がしかめっ面で私を見る


「山崎が心配で寝れねえのか?」


「…」


「図星かよ… 深雪は?」


「相変わらずだ…良くも悪くもない」


「そうか…
山崎は、帰ってくる!
俺と約束事があるからな!
深雪のそばにいてやれよ!
身請けした責任があんだろ!?」


「そうだな…」



なんと不甲斐ない


近藤勇という男として
新選組の局長として


中途半端なことが、情けなく思えてならん








烝の帰ったのは、翌日だった









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