浅葱色の忍
かっちゃんが、江戸から新入隊士をつれて
帰って来た


その中で藤堂が口説くと言っていた

伊東甲子太郎がいた


他の奴らには、紹介しなかったが
伊東にだけと、かっちゃんが言うので


「山崎烝 俺が使ってる忍で
監察方や医務方として、働いて貰っている
ごくたまに、隊士の前に出るが
顔は隠して、篠塚と名乗っている」



山崎が、喋りたくないと言ったので
俺が説明した


「うさんくさい… 忍なんて
どこで拾えるの?
あなた?間者では、ないのよね?」


なるほど…
喋りたくないと言ったのは
こう言われることを想定したんだな


「素性は、言えねえが
間者の疑いは、ない
俺が、身元確認している」


「挨拶もしないうえに、顔も出さないの?
貴方!失礼なんじゃないの!?」


やたら、山崎に食って掛かるな…




「山崎君の顔は、誰も見たことありませんよ
土方さんだけしか知りませんよ! ね?」



総司が助け船を出した


「参謀として、顔くらい 
見ておかないと ね?」



「伊東君 悪いが山崎君は、特別なんだ」



かっちゃんが、伊東さんを黙らせた

やるときゃやるな



それにしても



なんだ… この険悪な仲は…









かっちゃん 山南さん 俺と山崎で
その後残った



「クスクス 普通ですよ
普通は、あぁして毛嫌いするんです
皆は、興味深く 異常なまでに
俺を受け入れてくれましたけど!
一応ですが、俺は参謀に従うつもりは
ありません!」




「山崎君…」



かっちゃんが、情けない声を出した



「それとだな… 山崎の知り合いを
ひとり、入隊させようと考えている」


「なに!?」


「尾形が手伝っても山崎の負担大きくてな
肝心なときに動けねえじゃ、困る
そいつも忍の素質があるらしく
入隊後は、山南さんの忍として就かせる」


「伊東君は、だめかい?」



なんだって、そんなに伊東さんに
熱心なんだよ…



「僕は、忍を使いこなせるかどうか
伊東さんが適任かと…」



「山南副長がええ!
うさんくさいて言ってる奴は
どんな仕事回すかわからへん!
俺が見込んだ奴やから、大事にして貰いたいねん!
局長!伊東参謀ではなく山南副長に
お願いします!」



「わかったよ」




「決まりだな で?みつかりそうか?」


「明日、連れてきます」


「楽しみだな」














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