浅葱色の忍
「素晴らしい!!」


伊東君の作った小隊編成の隊割を見て
うんうんと頷いた


「伊東君!ありがとう!これでいこう!」



満足している私と違い
皆は、静かに成り行きを見守っている


なぜ、こんなに温度差があるのだろうか



「局長 この後、お時間いただけますか?」


初めて伊東君の前で発言した
烝の目は、冷たかった

それに、言葉使いも



「ああ 構わんよ」



会議が終わると烝と私の部屋へ
場所を移した




「小隊編成は、山南副長の案です」


「隊割は、伊東君じゃないか」


「なぜ山南副長から取り上げたんですか?」


「取り上げたなんて!
伊東君が適任だと思ったからだよ!」


「なぜ山南副長が適任でないと思うのですか?山南副長は、伊東さんよりも隊士の事を知っている
入隊間もない伊東さんより
山南副長が適任です!
山南副長が作った方が、良いものが出来る」


「新選組の局長は、私だ!
烝は、私が判断を誤っていると?」


「そう言っているつもりですけど」



「出過ぎたまねをするな」



「出過ぎたまねをしてでも
局長に気づいて貰いたいんです!
山南副長がどんなに辛いか
俺は、わかる
わかるから… 助けて欲しい
勇……なんで?
なんで伊東さんしか見いひんねん…
勇も… 慶喜と同じやんか…」






烝が、ポロリと涙を流して
天井に消えた




屯所の移転場所で揉めた時も

隊士の学問指南役も

言われてみれば

全て伊東君に肩を持ち








私は、山南君から








全てを奪っていた














烝に言われてやっと気づいた






どうするべきか





山南君に





ああ だから烝は、吉村君を山南君に






山南君をひとりにしないために






それなのに






私は、なんということを























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