浅葱色の忍
慶応2年  春
「薩摩と長州が同盟を結んだ」


という話を近藤が聞いたのは、広島だった
近藤と伊東


探索方として同行している
山崎と吉村


予想外の事だった



「2人は、探索が終わってから帰っておいで
伊東君、私達は先に戻ろう」






残った2人は、ドッと疲れを出した


「あの人、隙がないですね」

「吉村は、隙が多い」

「え!?多いですか!?」

「フッ 嘘」

「山崎さん!」

「どう思う?」

「薩長同盟ですか」 

「アホ 今、伊東さんの事話してただろ!」

「そうでした」

「ちょいちょい局長を出し抜こうとする
言葉が出るが、決め手に欠ける」

「ええ 慎重ですよね」

「敬語やめろって」

「なら、山崎さんもその喋り方辞めてよ」

「は?違和感あるっていってなかったか?」

「最初だけ!
なんか、その喋り方…
あの頃を思い出すから…」



少しの沈黙の後


山崎が笑った



「あの頃とは違う
あの頃と同じ事をしようと思ったけど
なんか違う!…多分
大事な仲間がいて、友だと言ってくれるから、出口は探さなくてもいい
ここだって、示してくれてるから
安心して影にいれるんだ」


「どういうことです?」



「まだ、何も失ってないってこと!」


「何の話ですか?」


「お前…鈍いなぁ!そのまんま!」


「友って、俺ですか!?」


「吉村、俺にそんなこと言った?」


「言ってないけど…
敬語やめろって…」


「ふふっ 今日から、友になるか!」


「はい! あ、おう!!」


「ちゃっちゃと終わらせて帰るぞ!」


「は、おう!」


「クスクス」











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