ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
でもそこにいたのは真くんじゃなかった。


「蓮くん……」

「やっぱり……あいつと、一緒に屋上上がってくの見えたから。」


そこにいたのは……優しい表情を見せる蓮くんだった。


蓮くんはあたしに近づいてきて
しゃがみ込んだ。


「菜々はあいつが好き?」


優しい目で聞いてくる蓮くんに迷うことなく頷くあたし。


好きだよ。

1年前のあたしが知ったら絶句すると
思うけど、あたしは真くんが好きなの

「好き。気づいたのは最近なんだけどあたしのこと1番わかってくれるの。」


真くんの言葉で前を向けた。
怯えてたあたしが、女子に呼び出しをされた時は言い返すことができた。


「ごめんな。俺が誘ったりしなかったらこんなことには……」

蓮くんは眉を八の字に下げ、謝る


「ううん……蓮くんのせいじゃない。
あたしが行くって行ったんだし。」


ぽんぽんっと優しくあたしの頭を撫でてくれる蓮くんの優しさに涙が止まらなかった。
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