ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
低い声が保健室に響いた。



「何があんたをそうさせんの?」


よくわからない。
よくわからないけど宇佐美と俺は同じ匂いがした。

「あたし……昔ある男子にこっぴどくいじめられたことがあって……それ以来、怖いんです……男子が……」


ああ……そうだったのか。
やっぱり俺と宇佐美は似ている

「辛かったのか?」


宇佐美の頬から流れる
綺麗な涙。


俺の勘が当たっていると
きっとこの子は……


「あなた達、男は最低な生き物なんです!だから関わらないでください!」


ボロボロと流れる純粋な涙。


やっぱりな。


この子は男嫌いだ。
恐らく筋金入りの。


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