ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
「ダメッ!」

あたしはもう彼女でもないくせに、それを否定するように叫んだ。


「なんで?もう菜々ちゃん、真くんの彼女じゃないよね?」


「そうだけど……智代子ちゃんみたいな可愛い子が本気なんて出したら真くんはきっと智代子ちゃんを選ぶでしょ?」


「はぁー……マジうざいんですけど。」


いつも可愛らしいことしか言わない智代子ちゃんの口から出る『うざい』という言葉に驚いている。


「真くんの前では何にも言えなかったくせに、なんで今になって反対なんてするの?」


智代子ちゃんの目がいつもあたしを見る目と違っていて寒気がする。
< 330 / 385 >

この作品をシェア

pagetop