ヤンキーくんに溺愛された臆病ウサギちゃん
放課後になると、ちらほら白くてふんわりした冷たいものが落ちてくる。


それは雪だ。


まだ12月の半ばなのに珍しい。


「へくしゅんっ!」


さみー……


俺は結構でかいくしゃみをした。


「あ……」

俺がふと声を漏らしたのは
前方にウサギみたいな女が歩いていたから。


話しかけるのを躊躇った。
もう彼氏でもなければ友達でもない。


すれ違っても他人のフリをされる。


俺が悪いんだけどすげぇ辛い。
ウサギと話せないのは。
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