君に光を
「杏奈ごはんは?」
「いらない」
食べ物なんて食べる気にならなかった。
一晩中泣き続けて気づいたら眠りについていた。

朝起きたら目が腫れてひどい顔になっていた。今日は学校を休もう。
ママが起こしにくる。「杏奈起きなさい」
「具合悪いから行かない」
「あらそう。しっかり休みなさい」
よかった。詳しく聞いてこなくて。


その日の夕方。珍しく爽汰が部屋にきた。
「杏奈。プリン買ってきたから入るぞ」
「爽汰が部屋くるなんて久しぶりだね」
「お前が部活いないから心配したんだぞ」
「ありがと」
「で、熱は?」
「熱なんてないよ」
「はぁ?お前ズル休みか!プリンはなしな!」
「えぇー!ちょっと待って!プリン食べる!!」
「元気だな!よかった!じゃ明日は部活こいよ!」
爽汰はプリンを置いて帰っていった。
高校に入ってお互い恋人がいたから部屋の行き来は避けていた。
でも爽汰も1週間前に彼女と別れたからまた前のように部屋にきたのだろう。
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