君に光を
ママがいきなりその女の人をビンタしたのだ。
「なんであんたがここにいるの!」女の人を睨みながらママが言う。
「先に帰ってろって言っただろ!」パパも女の人に怒鳴っている。
「私は待ってろって言われたから」なぜか平然な女の人。

私は気づいた。さっきの夢じゃなかったんだ。この女の人はパパの浮気相手だ。
そこから3人の言い合いが始まる。

「お前ら一回落ち着けって」爽汰のパパの声も無視だ。

パパが浮気しているのはなんとなくだが勘付いていた。でもこの瞬間それが真実になった。
私はパパが好きだったからショックで気づいたら泣いていた。
妹もママにひっついて泣いていた。

「杏奈を泣かしてんじゃねーよ!」爽汰が怒った。
爽汰の声でみんながシーンとする。すかさず爽汰のパパが「もーいいから帰るぞ」と場を止まらせた。

「杏奈帰るぞ」
動けずにいた私を爽汰が引っ張って行く。
「爽汰、杏奈を頼む。父さん達はまだ帰らないから先に杏奈の母さんと帰っててくれ」
「わかった。俺杏奈ん家泊まるわ。じゃ。」
そんな会話を爽汰と爽汰のパパがしてるけど耳に入ってこない。
タクシーでママと妹と爽汰と帰って来たがみんな無言だ。
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