君に光を
家について私は一言も話さず部屋に行った。
下の部屋からはママと爽汰の話してる声が聞こえてくる。

パパが浮気をしていたこと、
あの女の人と遊んだことがあること、
爽汰のパパ達もみんながパパの浮気を知っていたこと。
私はみんなに裏切られた気持ちだった。
考えただけで涙が溢れ出してくる。

泣きたいのはママなのに。ママにバレないように布団に隠れて泣いていた。

「杏奈。入るぞ」
ドアの前から爽汰の声が響く。

「杏奈大丈夫か?って大丈夫なわけないよな。ごめんな」
爽汰の声で落ち着く。
「なんで、なんで爽汰が謝るの。今日クリスマスなのにね。サンタさんいなかったね」
「お前サンタさんって。まだ信じてるのか!」爽汰がプッと吹き出す。
それにつられて私も笑ってしまった。
「爽汰ありがと」
「なにがよ。寝るぞ」
「爽汰も一緒に寝るの?狭いからやだ」
「まだ隙間あるから余裕だろ。早く寝ないとサンタさんこないぞ」
「うるさいな。もう」
爽汰のおかげで一晩中泣かなくてすんだ。
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