紅桜の元姫
わたしは暁人を見上げる。

「お前は裏切り者なんだよ!
もう2度と戻ってくんじゃねーぞ。」

……

なにもかも終わった。
そう、思った。
わたしはケーキの入った箱を暁人に投げつけて走った。
走り去る時、美希の顔は泣いてなんかなくて、微笑んでた。

ー…ハマった。
わたしも翠翼のみんなも美希にハメられたんだ。


嫌で、悔しくて、もう意識が飛びそうなくらい走った。ここがどこなのかも知らずに。
曲がり角を曲がった瞬間、

ドンっ!

『いった…』
人とぶつかった。ぶつかった時に頭を打って、わたしは意識を失ったー…

< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop