イケメン兄の甘い毒にやられてます
第2章 1.大人になっても恋してる
…離ればなれになって3年。

高校を卒業し、看護学校も卒業し、晴れて、准看護師一年生になった夕陽。

離ればなれになったとはいえ、会えるときはちゃんと圭吾と会い、着実に愛を深めていった。

…もう、夕陽は大人になった。

一人前に仕事をするまでに。

実家に帰って、両親の元から仕事に通うことも可能だった。

だが、夕陽は、実家には戻らず、一人暮らしを始めた。

圭吾は半年前に、アメリカに行っていたが、今年、帰国予定。

皆に認められた素晴らしい内科医になっていた。

「…いつ帰ってくるのかなぁ」

器具の洗浄をしながら、夕陽が呟く。

そんな夕陽の頭を誰かがコツンと叩いた。

「…もぅ、驚かさないでよ、優くん」

鈴木優くん、夕陽と同じ看護学校を卒業し、同じ病院に就職した、気心知れた仲。

「…仕事中に余所事考えてると、看護師長に怒られるぞ」
「…そうだね、仕事に集中」

真面目な顔になった夕陽を見て、優は笑みを浮かべ、自分もアンプルや点滴の準備を始めた。

「…皆さん、手を止めて。今日から、大学病院から来た先生を紹介しますから集まって下さい」

看護師長によばれ、その場にいた看護師たちが集まってきた。

「…先生挨拶お願いします」

看護師長の言葉に、ナースステーションに入ってきた医師。

その場にいた看護師達から声が漏れた。…イケメンな医師だったから。






「…これから皆さんといっしょに働かせていただくことになりました。

神藤圭吾です。専門は内科です、よろしくお願いします」


夕陽は驚きのあまり、ワナワナト震えた。
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