イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…圭吾さん、心配し過ぎですよ」

圭吾の背中を優しく撫でながら、夕陽は言い聞かせるように言う。

「…夕陽は、男に対して無防備過ぎるから」
「…そんな事、「…あるだろ?自分がどれだけ可愛いのか、無自覚だから、尚更たちが悪い」

ぎゅっと更に夕陽を抱き締めて言った。

なんだか、信用されてないなと思うと、夕陽は少しムッとして、圭吾を睨むように見上げる。

そんな顔、初めて見た圭吾はちょっと驚いた顔をした。

「…圭吾さん、優くんは私の友達で、それ以上でも、それ以下でもありません。圭吾さんに出会って、男と認めたのは、圭吾さん、ただ一人です。私を信用してください」

「…夕陽」

…夕陽は少し勘違いをしているようだ。

圭吾は別に、夕陽を信用してないわけではない。

信用してないのは、優と言う男の方で、友人と言う皮を被った『オオカミ』だと思っている。

「…ね?だから、もう、心配しないでくださいね」
「…うん、分かったよ…ぁ」

渋々頷いた圭吾だったが、とある名案が浮かんできた。

「…夕陽」
「…はぃ?」

「…今度の日曜」
「…??」

…果たして、圭吾が浮かんできた名案とは。
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