イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…片付けは俺がするから、夕陽はお風呂に入っておいで」
「…いいえ!私の仕事なので、圭吾さんがお風呂に入って来て下さい」

食器の両側から、圭吾手と、夕陽の手が掴んでいる。

「…一人で家事を全てする必要はないんだよ夕陽。家族には甘えなさい」

『家族』

その言葉に、夕陽が怯む。

「…お義母さんもとても心配してたんだよ」
「…え?」

圭吾が優しく微笑む。

「…夕陽はなんでも一人で抱え込んでしまうって。家族が増えたんだから、その分楽することも覚えなさい。夕陽はまだ高校生だろ?家事全般、やってくれるのは本当に助かるけど、もっと、遊んだり、甘えたりそうしてくれたらもっと嬉しいな」

「…」

人に甘えなれていない夕陽には、こんなちょっとしたことですら、甘えられなくて…

どうしていいのか困ったかおをした。

「…ほら、お風呂」
「…お願いします」

圭吾に促され、ようやく食器を圭吾に渡した。

圭吾は満足そうな顔をして、食器をキッチンに運び洗い物をして行く。

…。

お風呂から上がると、圭吾にも、声をかけ、圭吾もお風呂に。

夕陽はリビングで、テレビを見ていた。

そんなとき、携帯が鳴った。…メールだった。

朝陽から、大量の写メ。

学と二人で沢山の写真を撮ったようだ。

本当に、幸せそうな二人。夕陽まで、幸せな気持ちになり微笑む。

「…夕陽?」
「…ぁ、圭吾さん、これ見てください。ママ達が写メ沢山撮ったみたいで」

夕陽の隣に、圭吾が座り、二人で携帯を見る。

とても密着している…が。

写メに夢中で、夕陽は気にもとめていなかった。
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