イケメン兄の甘い毒にやられてます
2.独りの夜に想う人はあの人でした
登校中も、授業中も、圭吾の事が頭から離れない。
でも、何とかかき消そうと、目の前の事に集中しようとした。
が、それは出来なかった。
体育中、注意散漫だったせいか、友達とぶつかり夕陽は転倒してしまった。
しかも、そのせいで軽い捻挫まで。
「…夕陽、帰りは俺が送るから」
春人の言葉に、夕陽は首をふる。
「…いいよ。春人は部活があるでしょ?スタメンなんだから、休んじゃダメだよ」
「…一日くらい休んだってどうってことないよ。部長には言ってあるし」
「…でも」
困惑する夕陽。春人に助け船を出したのは勿論咲。
「…夕陽、送ってもらいな!一人で帰って、また転んで悪化したらどうすんの」
「…」
「…夕陽?!」
「…わかった。そんなに怒らなくてもいいでしょ。ゴメンね春人、お願いします」
夕陽の言葉に、春人は笑顔で頷いた。
…放課後、春人の運転する自転車の後ろに乗った。
「…家まで結構あるけど大丈夫?」
「…大丈夫に決まってんだろ?足は鍛えられてんの。夕陽は人に気を遣いすぎなんだよ。俺が勝手にやってるんだから、気にすんな」
「…ありがとう」
「…ん」
その後はあんまり会話もなく、夕陽は流れる景色を見ていた。
「…夕陽、もっとちゃんと捕まれ、落ちるぞ」
「…ぁ、うん」
男の子は苦手。でも、春人だけは、苦手じゃない。しっかり春人の腰に腕を回した。
「…春人、大きくなったねー」
「…何を今さら。夕陽は小さくなった」
二人は言い合って、可笑しくなって笑い出す。
でも、何とかかき消そうと、目の前の事に集中しようとした。
が、それは出来なかった。
体育中、注意散漫だったせいか、友達とぶつかり夕陽は転倒してしまった。
しかも、そのせいで軽い捻挫まで。
「…夕陽、帰りは俺が送るから」
春人の言葉に、夕陽は首をふる。
「…いいよ。春人は部活があるでしょ?スタメンなんだから、休んじゃダメだよ」
「…一日くらい休んだってどうってことないよ。部長には言ってあるし」
「…でも」
困惑する夕陽。春人に助け船を出したのは勿論咲。
「…夕陽、送ってもらいな!一人で帰って、また転んで悪化したらどうすんの」
「…」
「…夕陽?!」
「…わかった。そんなに怒らなくてもいいでしょ。ゴメンね春人、お願いします」
夕陽の言葉に、春人は笑顔で頷いた。
…放課後、春人の運転する自転車の後ろに乗った。
「…家まで結構あるけど大丈夫?」
「…大丈夫に決まってんだろ?足は鍛えられてんの。夕陽は人に気を遣いすぎなんだよ。俺が勝手にやってるんだから、気にすんな」
「…ありがとう」
「…ん」
その後はあんまり会話もなく、夕陽は流れる景色を見ていた。
「…夕陽、もっとちゃんと捕まれ、落ちるぞ」
「…ぁ、うん」
男の子は苦手。でも、春人だけは、苦手じゃない。しっかり春人の腰に腕を回した。
「…春人、大きくなったねー」
「…何を今さら。夕陽は小さくなった」
二人は言い合って、可笑しくなって笑い出す。