イケメン兄の甘い毒にやられてます
…明の事はすっかり忘れて、夕陽は圭吾とのデートを満喫した。

デートを終え、帰宅した二人を待ち構えていたのは、もぬけの殻の家。

…またしても、朝陽からの置き手紙。

『…パパの学会に、旅行がてら、同行してきます、朝陽』

「…旅行がてら、って、そんなのありなんですか?パパって、偉い教授なんですよね?」

呆れた顔をしながら、夕陽が圭吾に問う。

「…まぁ、顔と名前は知られてるくらいの知名度のある教授ではあるかな。でも、だからこそ、許されるかも。奥さんだし」

そう言って苦笑いする圭吾。

だったが。

突然、後ろから、夕陽を抱きしめた。

「…また、二人きりだね?」

「…そ、そうですね」

圭吾の言葉に、ドキリとする夕陽。

「…また今夜、一緒に寝よ?」
「…え?!いや、あの、その」

…手を出さないとは言われているが、ズバリ言われると、シドロモドロになる。

圭吾はクスクスと笑う。

「…わ、笑わないで下さい!」
「…反応が、可愛いから、つい」

…そんなこんなで、結局は。

「…おやすみ、夕陽」
「…おやすみなさい、圭吾さん」

圭吾のベッドで、二人で眠りについた。

…しばらくすると、緊張していた夕陽だったが、いつの間にか眠っていた。

そんな夕陽の寝顔を見ながら、頭を優しく撫でる圭吾は優しい笑みを浮かべる。

「…夕陽は、誰にも傷つかせない。夕陽は俺が守るから」

意味深な言葉を呟き、夕陽を抱きしめると、圭吾も眠りについた。
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