イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…夕陽ちゃんは、圭吾の事、好き?」

その言葉に頷く夕陽。

「…今の話を聞いて、圭吾の将来がその結婚にかかってるってことも、なんとなくでもわかる?」

また、頷く夕陽。

「…圭吾と夕陽ちゃんが両思いだってわかってるよ。お互い大事な存在だってことも。でも、だからこそ、夕陽がどうしたらいいのか、考えなきゃならないこともあると思う。

辛くなったら、俺を呼んで。俺は、夕陽ちゃんのためなら、なんだってするよ。信じられないかもしれないけど、呼ばれたら必ず駆けつけるから。

…ぁ、圭吾が来たよ。俺は、仕事に戻るけど、大丈夫?」

涙をこらえて、夕陽は頷いた。

「…夕陽ちゃん」
「…」

黙ったまま振り返る。

「…俺は、夕陽ちゃんが好きだよ。本気で、心から君が好きだ。夕陽ちゃんには、俺がいる。それだけは忘れないで」

夕陽は何の返事もできないまま、圭吾の方を向いた。
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