イケメン兄の甘い毒にやられてます
「…夕陽、本当に帰らなくていいの?」
「…ぅん、…帰れない…ごめんね、咲」

「…私はいいんだけどさー、お義兄さん、心配してんじゃないの?」
「…ぅん、物凄く」

…ここは、咲の家。夕陽はよく、咲の家にお泊まりすることもあり、両親は歓迎してくれてる。

「…夕陽、私さ、夕陽とお義兄さんとのこと、なんにも知らないんだけど、ぜーんぶ、話してくれる?一晩中だって話聞いてあげるからさ、ね?」

何て言いながら、優しく微笑む咲。

夕陽はポツリ、ポツリと今までの経緯を話していった。

「…ってか、なんか、凄いことになってるね。そんな面白いこと、私だけが知らないとか!春人も大体知ってるんでしょ?もう!もっと早く教えてよー」

「…面白くはないよ?」

げんなりしながら夕陽が言った。

「…ゴメン、面白い」
「…咲ー」

半泣きになる夕陽をバシバシ笑いながら叩く咲。

「…ゴメンて。…で?どうするの?別れるの?それとも別れないの?」

「…正直…別れたくない」
「…うん」

「…別れたくないけど、圭吾さんの事考えたら、それは私のわがままなのかなって思うし…どうしたらいいか、分からなくて」

「…じゃ、本人に聞けば?」
「…え」

「…美人をとるのか、夕陽をとるのか?それが一番スッキリするじゃない」

「…出来ないから困ってるんだけど」

「…だよねー」
「…面白がりすぎ」

「…バレた?」
「…もう!」

「…面白がってごめんなさい…咲お姉さんからアドバイス」
「…」

「…お義兄さんはスッゴい大人だけど、私らってまだ高2じゃん?自分に正直にいればいいと思うよ。純粋にさ。その美人さんより、遥かに若いじゃん若さは武器よ!迷わず進め、夕陽!」

「…咲…ありがとう」

「…まだまだ、話足りないでしよ?ビシビシアドバイスしてくから、話なさい話なさい」

…結局、明け方まで二人の話は続いた。
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