black×cherry ☆番外編追加しました
(子ども・・・)


その言葉に、ドキッと反応してしまい、咄嗟に聞き返してしまう。

「お子さん、いらっしゃるんですか」

「・・・いや。できなくて。それでまあ、いろいろと」

「あっ・・・すみません・・・」

また、込み入ったことを聞いてしまった。

それ以上、言葉が見つからずにいると、黒崎さんは無表情のまま話をつないだ。

「もう昔のことだし。・・・とにかく、わからないって言いたいだけだ。好きで一緒になったところで、ずっと一緒にいるとは限らない」

黒崎さんの横顔に、影がかかったような気がした。

それは、暗くなってきた空のせいかもしれないけれど。

なぜだか私は、胸が痛んで。

切ない気持ちが止まらなかった。









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