black×cherry ☆番外編追加しました
告白
コンサートまで、あと3日となった水曜日。
目前に迫ってきた本番を前に、サークルの練習は緊張感を増していた。
(それなのに私はミスばかりだ・・・)
釣り針のキズは、もうすっかり治っている。
けれど、コンサート前の緊張感はもちろんのこと、その後の食事会のことを考えて、気持ちは暗く沈んでいた。
(なんて・・・そんなこと、言い訳にもならないけれど・・・)
黒崎さんへの気持ちも、気づいただけでどうにもできない。
忘れなさいってママに言われて・・・でも、そう簡単に忘れるなんてできなくて。
そしてもちろん、私のただの片思い。
しかもあの日、釣り桟橋から逃げるように去ってしまった。
黒崎さんには、もう、嫌われているかもしれない。
午前中の練習が終わり、お昼休憩に入ると同時に、顧問の三和先生に名前を呼ばれた。
「羽鳥さん、ちょっと」
三和先生は、40代に入ったばかりの女性の先生。
桜葉女子出身で、ショートカットがよく似合う、眼鏡をかけた優しい雰囲気の先生だ。
楽器をしまい傍まで行くと、先生は私をじーっと見つめた。
「羽鳥さん、体調でも悪い?」
「えっ・・・?いえ」
「本当に?それならいいんだけど・・・。今日はミスも多いし、顔色もあまりよくないわ。もし体調が悪いのなら、今日は早めに帰りなさい。本番で倒れたりしたら意味がないわよ」
「・・・」
(顔色、悪いんだ・・・)
思わず、自分の頬に触れてみる。
それで顔色がわかるはずはないのだけれど・・・。
「でも、あともう少しですし・・・大丈夫だと思います」
「うーん・・・。そう?あんまり、大丈夫に見えないんだけど」
三和先生が苦笑する。
自分が思っているよりも、そんなに顔色が悪いのだろうか。
「練習したい気持ちはわかるけど・・・羽鳥さんは今まで通りにやればコンサートでも問題ないから。今無理をする必要ないわよ」
「・・・でも」
目前に迫ってきた本番を前に、サークルの練習は緊張感を増していた。
(それなのに私はミスばかりだ・・・)
釣り針のキズは、もうすっかり治っている。
けれど、コンサート前の緊張感はもちろんのこと、その後の食事会のことを考えて、気持ちは暗く沈んでいた。
(なんて・・・そんなこと、言い訳にもならないけれど・・・)
黒崎さんへの気持ちも、気づいただけでどうにもできない。
忘れなさいってママに言われて・・・でも、そう簡単に忘れるなんてできなくて。
そしてもちろん、私のただの片思い。
しかもあの日、釣り桟橋から逃げるように去ってしまった。
黒崎さんには、もう、嫌われているかもしれない。
午前中の練習が終わり、お昼休憩に入ると同時に、顧問の三和先生に名前を呼ばれた。
「羽鳥さん、ちょっと」
三和先生は、40代に入ったばかりの女性の先生。
桜葉女子出身で、ショートカットがよく似合う、眼鏡をかけた優しい雰囲気の先生だ。
楽器をしまい傍まで行くと、先生は私をじーっと見つめた。
「羽鳥さん、体調でも悪い?」
「えっ・・・?いえ」
「本当に?それならいいんだけど・・・。今日はミスも多いし、顔色もあまりよくないわ。もし体調が悪いのなら、今日は早めに帰りなさい。本番で倒れたりしたら意味がないわよ」
「・・・」
(顔色、悪いんだ・・・)
思わず、自分の頬に触れてみる。
それで顔色がわかるはずはないのだけれど・・・。
「でも、あともう少しですし・・・大丈夫だと思います」
「うーん・・・。そう?あんまり、大丈夫に見えないんだけど」
三和先生が苦笑する。
自分が思っているよりも、そんなに顔色が悪いのだろうか。
「練習したい気持ちはわかるけど・・・羽鳥さんは今まで通りにやればコンサートでも問題ないから。今無理をする必要ないわよ」
「・・・でも」