black×cherry ☆番外編追加しました
「想像だけど・・・黒崎さん、本当に嫌だったらチケットを受け取ることすらしないと思うの。蒼佑さんから聞いてると、そういうタイプだと思う。

だから、来てくれたらそれこそ脈ありなんじゃないのかな。連絡先とか、咲良から渡してみたら?」

「連絡先・・・」

「うん。咲良のメールと電話番号と。今はお互い知らないんだよね?来てくれたお礼をしたいとか、なにか理由を言ってもいいし」

「そうだね・・・。来てくれたら、お礼はしたいな」

「ふふっ。でしょ?そうしたらまた二人で会えるし、仲良くなれると思うんだ。婚約者の先生のことは、難しいからまた後でゆっくり考えるとして・・・まずは黒崎さんのことを頑張ってみたらいいと思うよ。

恋人になれたりしたら、婚約の話も変わってくるかもしれないし」

「うん・・・」

夢のようなことだと思った。

黒崎さんと恋人になれて、早川先生との婚約話も自然に流れていったとしたら・・・。


(なんて・・・ママのあの様子だと、そう簡単にはいかないと思うけど・・・)


私のことを、黒崎さんがどう思っているかもわからない。

それに、来てくれたとして、コンサートの日に連絡先を渡すのだから、仲良くなる前に婚約の話が進むかも。


(でも・・・)


それでも、もし。

その先が、それで、なにか変わるのだとしたら・・・。

「うん・・・。来てくれたら、連絡先渡してみようかな」

呟くと、千穂ちゃんは明るい声で「うん!」と言った。

「そうだよ、がんばって!私が男の人だったら、絶対に咲良と付き合いたいもん」

「大丈夫!」と応援してくれる千穂ちゃんに、私は照れてお礼を言った。


(どうなるかはわからないけど。もし、黒崎さんが来てくれたら・・・)


その時は。

お礼を言って連絡先を渡そうと、私は、胸に大きく決意した。










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