black×cherry ☆番外編追加しました
「・・・あの」

「もー、ひどくない?『連絡して』って名刺渡したのに。今まで名刺渡して連絡ない男なんて一人もいなかったのに!咲良、なにか聞いてない?」


(・・・う・・・)


「・・・はい。聞いては、いないというか・・・」

「ん?なに?なんか含みがある感じ?」

「・・・あの」

「うん?」

「〜〜〜・・・っ、すみません・・・!」

それから私は、全てのことを打ち明けた。

黒崎さんを好きになり、告白をして、コンサートも誘っていること。

「行けたら行く」と言ってくれてはいるけれど、告白の返事はないこと・・・。

「すっかり、おばさまの気持ちを忘れていて・・・」

我ながら、自分本位だと思う。

だけどもう、今更気持ちを取り消すなんてできなかった。

きっと「ひどい」と言われてしまう。

そう心構えをして、耳元でスマホをぎゅっと握っていると。

「あはは!」

「!?」

聞こえてきたのは笑い声。

楽しそうな、とても明るい声だった。

「やだ、いいじゃない。別に、人を好きになるのは自由だし」

「え!?で、でも」

「ああ・・・私は、『連絡こない』ってことに頭にきてるの。黒崎さん、素敵だったし狙ってたけど、だからって、好きっていうわけでもないよ」

「え?」


(よくわからない・・・)
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